東京藝術大学大学美術館
特別展 【皇室の彩(いろどり)】は、滅多に見られない展示物ばかり。
大正から昭和最初期の頃、皇室の方々の御成婚や御即位などの御祝いのために、美術工芸家たちが技術の粋を尽くして献上品を制作。
でもそういう作品は、いったん献上されたら、宮殿などに飾り置かれていたために、一般の人々の目に触れる機会が極めて限られていたんだって。
今回の展覧会は、宮内庁に現存する作品や、東京美術学校(現在の藝大)の5代校長の指揮下で制作された作品、資料が展示されてます。この時代の美の最高峰との事です!
横山大観の絵画作品、高村光雲の彫刻作品、平田宗幸の鍛金作品。どれも目を奪われます。
18名の合作という木製画帖型八曲小屏風は、八曲の小さな屏風にそれぞれの作家が作品を作っていて、小さいながらも見応えのある作品らしいです。
しかしメインはなんと言っても昭和天皇の御成婚のときに献上した飾り棚です。
天皇皇后、それぞれに贈られた二つの飾り棚。
天皇には、古来から帝を象徴する鳳凰の柄。そして皇后には鶴の柄の飾り棚でした。
高蒔絵という技法で作られているんだけど、鳳凰の飾り棚はエッジが効いていて、とても力強い印象を受けて、皇后の飾り棚はあら不思議、柔らかい印象を受けます。
同じ高蒔絵でも、それぞれの棚で盛り方を変えて作ったんだそうな。
飾り棚に飾る装飾品も、どれも皇室に献上されて然るべき!って感じで凄い。
黒漆の二曲屏風は、いろんな工芸家の作品が埋め込まれているんだけど、現在では再現不可能と言われる技法で作られたものもあるようです。
上記のように現在、再現不可能な作品もこの特別展では拝見できます。
是非ともこの機会に上野に足を運ばれてみてはいかがでしょうか?