東京都美術館(散策ガイド)

施設概要

竣工:1975年(昭和50年)、設計者:前川國男(マエカワ クニオ)

現在の建物は1975年(昭和50年)に、日本の近代建築の旗手・前川國男の設計で建てられたもので、それ以前の建物は、現在の建物の北側に位置し、正面には荘厳な列柱を並べたクラシカルなものでした。こちらは1926年(大正15年)に、東京藝術大学陳列館の設計なども手掛けた岡田信一郎によって設計されました。新旧ともに上野公園内の建築に縁の深い、一流の建築家の手による作品です。

旧美術館の老朽化に伴い、立て直し計画が進められる際には、公園の自然と建物の調和が重視されました。その結果、建物の高さ制限を抑えつつ延べ床面積を確保するために、建物の約60%を地下に埋め、外光を地下に取り込むために光庭が設けられました。地上部分は、ひとつの大きなブロックとせずに分棟式にしてそれぞれの空間を創出するなどの細かい配慮がされています。

こうした空間を創出した上で、細かな部分のデザイン(館内の椅子の色や手すりの素材、天井の色、区分された展示室および外壁の色や素材など)にも前川らしいモダンな配慮がなされています。

入館料:イベントにより異なります