旧東京音楽学校奏楽堂(散策ガイド)

施設概要

就航:1890年(明治23年)、設計者:山口半六(ヤマグチ ハンロク)+久留正道(クル マサミチ) 重要文化財

この建物は、東京音楽学校(現:東京藝術大学音楽学部)の講堂兼音楽ホールとして、文部省営繕課の山口半六と久留正道の設計で、1890年に建設された日本最古の木造洋式音楽ホールです。建物の正面中央部の大屋根に西洋と東洋の調和を象徴したハープと笙(しょう)の笛、そして中央に火焔太鼓(かえんだいこ)といった楽器の彫刻が施され、華美を抑えた質実な外観は「音楽の殿堂」としての伝統と格式を感じることができます。

当時、音楽学校主事であった上原六四郎が音響設計を担当した音楽ホールは、壁や床下に藁(わら)や大鋸屑(おがくず)が敷き詰められ、遮音(しゃおん)効果をあげるなどの工夫がされています。

これまでに滝廉太郎をはじめとする多くの音楽家を輩出してきましたが、永らくの年月を経て老朽化が進み、解体取り壊しの危機にひんしました。しかし、音楽関係者をはじめとした多くの有志による保存運動の努力が実り、台東区が1987年(昭和62年)3月に現在地に移設保存して、さまざまな音楽に関わるイベントと共に一般公開されるようになりました。現在、建物保全のための改修工事に入り、一般公開は中断されています。

入場料:無料