東京国立博物館 本館(旧帝室博物館)(散策ガイド)

施設概要

竣工:1937年(昭和12年)、設計者:渡辺仁(ワタナベ ジン)+宮内省 重要文化財

昭和5年に公募された設計コンペにおいて「日本趣味を基調とする東洋式にすること」「勾配屋根を必要とすること」という応募条件に対して、コンクリートの躯体に瓦屋根を乗せた「帝冠式」といわれる個性的な建築案で一等当選したのが、銀座の和光や日比谷第一生命館などを手掛けた渡辺仁でした。

この建物の正面入り口から公園噴水広場までの見通しのいいまっすぐな軸線は、かっての寛永寺の本坊から中堂へ至る軸線と一致していて、上野戦争で焼失した大伽藍の姿を偲ぶことができます。

こうしたスケールの大きな空間を意識した建物全体のプロポーションと屋根の大きさのバランス、正面の両端をセットバックさせる手法などが、名手・渡辺の技がさえる帝冠建築の最高傑作といわれるゆえんです。

入場料:一般620円、大学生410円、高校生以下(18歳未満)、70歳以上、障がい者とその介護者1名は無料